あなたの為に生まれてきた体だから


あなたに捧げてあげたい。


あなたの為になるなら、それもまた本望だから。
























君が幸せになりますように   番外編























「オイ 風花」


「どうしたんです?日番谷隊長」


「・・・・何でもネェけど、現世に行く。ついて来い」


「何であたしが?」


「いいんだよ!!」





何も解らない、といった顔を俺に見せる 風花。


元零番隊隊長、現三番隊隊長補佐。


人はこいつを 風花隊長と呼ぶ。


松本より華奢で、雛森より一途だ。


見た目からじゃ想像もつかネェ程強くて、それでも普段から笑顔をばら撒いて。





「現世に何しに行くんですか?」





野暮なこと聞くんじゃネェよ。


別に虚退治ならその辺の死神に任せておけばいい。


元々隊長格は霊圧が高ェから現世に出るときは霊圧を抑えられている。


風花みてぇに“霊圧が低くなったら斬魄刀の威力があがる死神”を誰が好き好んで連れてくかっつーんだ。


俺はため息を交えて、後ろにいる 風花を見た。





「どうしたんです?」




ニコニコと何処ぞの旅禍みてぇな笑顔を浮かべて、支度を整えた 風花。





「何でもネェよ」


「変な隊長ー」


「変とか言うな」





ケラケラと笑う 風花を連れ、瀞霊廷を後にする俺たち二人。


現世につくと、俺の苦手な空気が漂う。


現世の空気は濁っていて、あまり好めない。


風花は俺と違って、現世の空気でも対応できるみたいだが。






「隊長ー」


「何だ」


「何しに行くんですかー」


「ちょっとは黙るって事を知らないのか?お前の口は」


「えー?力ずくでやれば黙りますよ」


「あ?」


「例えば・・・・キス、するとか」


「なっ!!///」


「なーんて♪」


「な!かっ・・・・・からかうんじゃネェ!!」


「えへへー」







不謹慎かもしれない。


後ろにいる 風花を一瞬見たあと、自分の顔が赤くなってるのが解って素早く前を向いた。


一瞬で見たのは、ニコッと笑っている顔と、 風花の唇。


そのままキスしたいぐれぇ、近づいてるのに。


手を伸ばせば、すぐ届く距離にいるのに。







「隊長ー、暇ですねぇ」


「暇とか言ってんじゃネェよ、不謹慎なヤツだな」


「隊長だって暇だって思ってるでしょ?」


「・・・・・・・・・・・」


「てか、何で現世にきたんです?」


「あぁ?」


「別に虚退治とかなら、あたしたちじゃなくっても」


「・・・・・・・・いーんだよ」


「この間の旅禍でも探すんですかー?」


「・・・・・・・違ェよ」


「うー?意味不明!」









暇だーと喚く 風花を隣に座らせ、とりあえず空を見上げる。


現世の空は、嫌いじゃない。


空気は嫌いだが。


水色と白がいい具合に交じり合っていて、嫌いじゃない。


なんとなく見てると落ち着く。


死覇装が汚れるだのなんだのってことは、今は別に気にならない。


となりの 風花も、俺と同じ空を見上げているだろう。


静かに横に視線をやれば、真剣に空を見上げている 風花。


俺が今日現世にこいつを連れてきたのは――――――








「隊長」



「っっ!!?な、何だよ」



「現世の空、いつ見ても綺麗ですね」



「・・・・あ?あぁ・・・・そう、だな」



「水色と白が綺麗に交じり合って・・・・ほんと綺麗」








遠くの空をみつめるように目を細めて微笑む 風花は



まるでどこかの、天使のようだった。



こいつと居れば、現世の空ももっと綺麗に見える。



苦手なはずの現世の空気は、いつの間にか体に馴染んで



もっと此処にいたい、と思うようになっていた。








「で、隊長?」



「あ?何だ、今度は」



「何であたしを、此処に?」



「此処?」



「えぇ、現世に」



「あー・・・・その・・・・あー・・・・」



「はっきり言ってください!歯切れ悪いですよ」



「その・・・・なんだ・・・・・・お前と・・・・・・」



「・・・・・・・・・・あたしと?」

















「お前と、二人で現世の空を見たかっただけだ」
















「本当ですか?」



「・・・・・そんなことで嘘つくかよ」



「・・・・・・嬉しい」



「・・・・・・・・」



「隊長がそんなこと思ってくれてたなんて」



「う、ウルセーよ」



「あたしも」



「あ?」



「あたしも、隊長と二人で現世の空見れてうれしいです」



「・・・・・・・・そーかよ」



「はいっ」



「顔、真っ赤だぜ」



「な!た、隊長こそっ」



「ば!!バカヤロー!そんなこと、あるわけ・・・・・」



「隊長ったらー」



「う、うるせぇ」



「えっへへーv」



「・・・・・・・おい」



「――――――――・・・・・何・・・・・っ」










現世の風がサァッと流れたとき



俺と 風花は、現世で初めてキスをした。









END



(20050828)


Thanks!!!100,000HIT OVER!!!


コメントでも出していたとおり、ひっつんのフリー夢です。


実はひっつんの大人気連載「君が幸せになりますように」の番外編でした。


本編ではヒロインの 翅音ちゃん、傷ついてばかりなので。


番外編くらいは幸せに・・・・!!と思いまして。


本編とは何の関係もないわけではないですが、特に影響するわけではないです。


ので、合間の休憩とでも思ってくださいませ。


フリー夢なので、じゃんじゃん持ってってください。


Egoist Syndromeとあゆの名前をお願いします。


それではv



 20050828  Egoist Syndrome    あゆ
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