赤い糸なんか信じてへんかった

運命?んなもん存在せぇへんわ

欲しいもんはボク自信で掴み取るもんやと思ってた。

それは決して間違いやないんやけど・・・

 


Destined soul mate

 


最初はキミがホンマにボクを?絶対嘘やて全然信用せぇへんかったわ。

だって 翅音ちゃんは、若くていつもめっちゃ綺麗で・・・誰にでも優しくて、心の中にはいつも強いもんを持っていて。

高嶺の花そのもの。ボクみたいな年寄りで汚れたやつなんかと、とてもやないけど釣り合わんって思ってた。他の

奴と話すだけでもいっつもヤキモチ妬く度にボクは、この子の事ホンマゾッコンやねんなって痛いほど痛感したも

んや・・・

ボクが 翅音ちゃんに意地悪しても、優しく受け止めてくれた・・・ボクが我侭言い過ぎた時には叱ってくれた。ボクの

想いを、全部受け止めてくれた。家に帰ったら美味い夕餉に、 翅音ちゃんの笑顔。たったそれだけの事で、 翅音ち

ゃんがボクの傍に居てくれるだけで、ボクがどれだけ癒されてるか・・・

だから、今日はボクから。 翅音ちゃんに・・・今日はボクの誕生日やけど、ボクがホンマに欲しいのはこんな執務室

のボクの机の上に山積みになったプレゼントやない・・・


・・・キミに、今すぐ逢いたい・・・


ボクは隊首会議を終えて執務室に戻った後、イヅルの目を盗んでいつも通り仕事をサボろうと抜け出した。そんな

ボクの手には小さな可愛らしい箱ひとつ。

「市丸隊長〜〜〜!!!ったく・・・何なんですかあの人は!」

イヅルが物凄い剣幕で愚痴を言いながら地団駄を踏んで悔しそうにボクを探してはる。ボクは木の上で気配を消し、

イヅルを必死にやり過ごす。まだまだ甘いなァ・・・イヅルが誰か見つけたようで駆け寄る。

「ちょっと!そこの君。ああ、そう。君だよ。市丸隊長見なかったかい?」

「見かけてませんけど・・・」

隊員がそう答えると、イヅルは頭を抱えてヒステリック気味に叫ぶ。

「嗚呼!今日は一体何なんですか!?朝の隊首会が終わって執務室に戻った瞬間に姿をくらますなんて!!僕に

一体どんな恨みがあるんですか!?」

ボクはそんなイヅルをクツクツ笑いながら観察する。今日は失敗したないから、念には念を押してイヅルが見えへん

様になってから此処から立ち去ろ。

「嗚呼・・・胃が痛い・・・」

イヅルの阿呆が胃の辺りを手で擦り始める。心配した隊員が見るに見兼ねて

「大丈夫ですか?吉良副隊長・・・四番隊に行かれますか?」

「四番隊になんか行っている時間なんて無いよ・・・」

そう言ってイヅルがトボトボと詰め所に戻っていくのを、ボクは相変わらずクツクツ笑いながら見下ろし完全に姿が見

えなくなってから、移動を開始する。

御免なイヅル、でも今日位サボらしてぇな・・・今日はボクん誕生日なんやぞ?そう思って今日で自分が幾つになった

のか考え始めた。ん〜・・・今年で幾つになったっけなぁ・・・年なんかもう数える気ぃも起こらんわ。

そんな事を考えながら向かったのは十番隊。詰め所の中をぐるりと見回して 翅音ちゃんが居らんから不思議に思って

いたら後ろからよく知った気配が近付いてくる。

「ギン・・・吉良が血相変えて探してたわよ?」

『乱菊・・・』

ボクがそう言って幼馴染の方に振り向くと包みを渡される。乱菊はニヤニヤしながら

「ギン・・vハッピーバースディ♪三倍返しね♪ウフフv私の誕生日29日だからね♪楽しみにしてるわよ〜」

そう言って乱菊はボクの話を聞こうともせずに手をひらひらさせながら執務室へ入って行った。そんな乱菊を見送り、

ふと思う。乱菊の誕生日は、ボクと初めて逢うた日や。ボクと会うまで日にちを数えられるような生活やなかったと、誕

生日なんか無いゆうた乱菊に、「・・・なら、ボクと会うた日が乱菊の誕生日や」てゆうた幼かったあの時のボク・・・あれ

から一体何年経ってんやろなぁ・・・

まぁそんな事より・・・

『 翅音ちゃん何処行ったんやろ・・・』

ボクがそう呟いた時、真後ろから声がする。

「 風花なら今日は現世だ。夕方には戻ってくる」

声はする、せやけど振り返っても誰も居らんから不思議そうに周りを見回していると、

「テメェ・・・ワザとだろ。それ・・・」

『あァ、誰かと思ったら十番隊長さんやないのv気ぃつかへんかったわ』

知っとったけど、敢えて意地悪させてなwボクはクツクツ笑いながらやっと目線を下に向けると十番隊長さんのおでこに

は沢山青筋が浮かんでいて、眉間に皺を寄せてボクを睨んではる。

『十番隊長さん、ずっとそんな顔してたら皺消えへんようになるで?ちょっとは伸ばさんとv』

「・・テメェ!一体此処に何しに来やがったんだ!?大体テメェはいっつも 風花の尻ばっか追いかけやがって・・!三番

隊隊長としての自覚あんのかっ!?」

十番隊長さんが大声で叫ぶ。あァ。そういや 翅音ちゃん現世やったね。せやったらもう此処には用事無いわ。ボクは十

番隊長さんの肩をポンポンと叩くと

『そんな怒らんといて♪ボクもう行くから。ほな、バイバーイ』

ボクは十番隊長さんに手をひらひら振って踵を向けると、瞬歩でその場を立ち去った。

 

 

 

 

 

 


せやせや、今日はボクが 翅音ちゃんの部屋で待ち伏せしよか♪思えばいっつも 翅音ちゃんをボクん家に呼んでばっか

で 翅音ちゃんの部屋に行った事ないなぁ・・・ボクは少しウキウキしながら 翅音ちゃんの部屋の前まで来て大きく一息吸

って思い切って開ける。

『・・・』

ボクは思わず呆然として立ち尽くす・・・だって

『めちゃめちゃ汚いな・・・汚いゆうより、物置やなこれ・・・』

あの、 翅音ちゃんが・・・こんなに散らかしてるやなんて・・・沢山の本が所狭しと積みあがっている。確かに 翅音ちゃんは

読書が趣味やゆうてた。せやけど要らん本は処分せな、こんなんやったら住まれへんやないの・・・

確かに、最近は 翅音ちゃんボクん家で殆どを過ごして半同棲状態やねんけど、せやけど此れは流石に・・・ボク・・・こん

な所で待ち伏せなんかしたないわ(酷)

溜息を吐いて 翅音ちゃんの部屋に恐る恐る足を踏み入れる。どんな本読んではるんやろか・・・一番上にある本をとって

みる。

『ほぉ・・・料理の本やないの。あっ!此れ食べた事あるわ!』

ボクはペラペラとページをめくる。もしかして、ボクの為に一生懸命勉強して練習してくれはったんやろか・・・そう思うと途

端に 翅音ちゃんが愛しく見える。・・・めっちゃ嬉しいなぁ。

ボクは台所に足を踏み入れる。そして言葉を無くす・・・だって・・・

『鍋が変形しとるで・・・一体どないしたらこんなんなるん!?どんな料理法で鍋がこんなんなるんよ・・・なぁ、 翅音ちゃん・・・』

思わず愕然として呟くボク。そして 翅音ちゃんの存在自体が段々怖くなって来た。こ、これ以上見たら決心揺らぐわ!慌

てて部屋に戻る。普段はあんなに完璧に何でもこなす 翅音ちゃんは実は、めちゃめちゃ努力家やねんねってのは嫌って

程よう分った!部屋からもう出よう・・・そう思うて最後に一度部屋の中を見渡したら、奥にある机の上にアルバムを見つけ

た。他は結構散らかしてはるのに、その机の上だけめっちゃ綺麗で。アルバムも無造作に置いてあるのではなく、そっと置

かれた様な。大事にしてはるってのが一目で分かるような置かれ方やった。

好奇心が勝ってしまい、ボクは手に取りページをめくる・・・アルバムにはボクと 翅音ちゃんの写真が綺麗にレイアウトされ

てあった。ボクは自然と頬が緩み腰を降ろして座ってゆっくりとページをめくる。

あァ、このお花見の時に初めて知り合うたんやんなぁ・・・ 翅音ちゃんが頬を桜色にしてボクにお酌しに来てくれはって、暫く

話したなぁ。そんな 翅音ちゃんが気に入ったボクが十番隊に通い始めたのもこの日を境にやもんな。昨日の事の様に思い

出せるわ、何年前の事やろうなぁ・・・なんや懐かしいわぁ。

此れは七夕祭の時やね。この日、 翅音ちゃんをコッソリ呼び出してボクが告白してんなぁ・・・手を繋いで二人で見上げた天

の川は最高に綺麗やった・・・

それからめくるページ全てがボクと 翅音ちゃんの写真ばかりで。大事にとってはってんなぁ・・・眺めているだけで幸せな気

持ち一杯になってくる。


・・・キミに、早く逢いたい・・・


勿論待ってたら会えるのは分ってるけど、今日は早く逢いたい・・・ 翅音ちゃんが好きや、喩え部屋が汚くても、台所が悲惨

な事になったとしても、やっぱり 翅音ちゃんはボクの傍に居って欲しい。否、こんな 翅音ちゃんやからボクに必要なんや・・・

 

 

 

 

 

 


今日はギンの誕生日!しかし生憎の現世への任務で私の体力はピークに達していた。

『ギンの誕生日なのに、何もしてあげられないだなんて・・・』

疲労して重い体に鞭をうちせめて誕生日ケーキだけはと、現世で人気のケーキ屋さんに買いに行く。ギンは、ここのケーキ

が大好きなのだ。

「ろうそくは何本になさいますか?」

ギンって何歳だっけ・・・分らないから三本にして貰おう。消しやすいだろうし。

『三本でいいです』

そう言ってお金を払い、ケーキを受け取る。私は人気の無い所まで行き地獄蝶を放ち尸魂界へ戻る。任務中にケーキを買

ったのがバレたら日番谷隊長に怒られるから私は先に自分の部屋に向かった。

『・・・ギン・・・』

呆然となって私は思わず呟く。だってギンが私の部屋に来たのは初めてだから。部屋の一番奥の机の上に突っ伏してどう

やら寝ているみたいだ。私はそっと近付いて顔を覗き込む。窓から差し込む太陽の光にポカポカと照らされて眠っているギ

ンの寝顔が何とも可愛らしかった。思わず今までの疲れも忘れ頬が緩む。

そして部屋を見渡してやっと今の状況を思い出す・・!こんなに散らかってる!!私はギンの隣にケーキを置き、ギンが起

きないようにコソコソと掃除を始めた・・・ギンは、こんなに散らかった部屋を見て私に愛想尽かしたりしてないだろうか・・・

私は泣きそうになりながら慌てて片付ける。嗚呼!こんな事になるんだったらもっと早く片付けておけば良かった・・!恥ず

かし過ぎる・・・ギンの前では常に完璧な女で居たかったのに・・!

その時背後からクツクツと笑い声が聴こえて私は思わず飛び上がる。恐る恐る後ろを振り向くと、ギンが机に肘を付いて此

方を見ている。口元はいつも以上に深く吊り上り私は背筋が凍りつく

「・・・お帰り、 翅音ちゃん」

『た、ただいまっ』

私は固まって動けないまま、辛うじてそういうとますます笑みを深くしたギンに

「報告書はちゃんと提出したんか?」

そう言われて仕事をサボってケーキを置きに来た事を思い出す。首を横に振ると手招きされ

「ほな、此処で書いてき?」

『う、うん・・・』

そう言って恐る恐るギンに近付く私を、ギンは可笑しそうに見詰めている。ギンの前に立った私の腕を引っ張りギンの胸の

中に納まる。机の方に向いて筆をとった私に後ろからギュッと抱き付くギン。そんなギンの態度に愛想は尽かされてはいな

いなと少し安心して、紙に筆を走らせる。

「 翅音ちゃん・・・今日はお疲れさんやねんね・・・霊圧空っぽに近いやん」

後ろから抱き着いているギンがそう言うと私の耳に息がかかる。くすぐったく感じながら

『予想以上に虚が沢山出て来て・・・一人だったからちょっと苦戦しちゃいました♪』

私が明るくそういうと、ギンは抱きしめる力を強めて

「 翅音ちゃん・・・死神の仕事はしんどくないか?ボク・・・ 翅音ちゃんには辛い思いしてもらいたないんよ」

いつもと違うギンに私は驚いて顔だけギンの方に向けるとそっと口付けられる。

『ど、どうしたの?ギン・・・』

私はギンの方に向き直るとギンの額に手を当てる・・・いつもと違うから熱でもあるかと思ってしまった。そんな私の行動を

ギンはクツクツ笑いながら見てそっと引き寄せて唇を塞がれる。

疲れた私を労るような優しいキスにウットリし始めた頃私の足に当たった箱を思い出す。

『あっ・・・ギン。』

「・・・何?」

私はギンから離れてケーキの入っている箱を持ち上げギンの目の前に差し出す。

『誕生日おめでとう、ギン・・・最近現世の任務ばかりだったからプレゼントはまだ買ってないの・・・ご、御免ね!その代わ

りギンが欲しいもの何でもあげるから・・・』

そういった私を見上げるギンはいつになく優しい笑顔をしていた。

「お、ボクここのケーキ大好きやねん♪おおきにっ♪」

そう言ってニッコリ笑いギンは私の手からケーキの入った箱を受け取るとリボンを外して中のケーキを確認して嬉しそうに

「うわぁ!おおきに♪後で・・・二人で一緒に食べよな?」

そう言って箱を横に置いて私を抱きしめる。私を抱きしめながら袖の方をゴソゴソまさぐっているギンを見上げると今度は

深く口付けられる。そっと組み敷かれて押し倒された時に私の耳元にコトンと小さな物が落ちる音がした。

名残惜しく唇を離したギンが満足そうに微笑んで私の目の前に小さな箱を見せる。私が受け取るのを確認して首元に顔を

埋めて耳元で

「それ開けてみて?」

と囁かれる。ギンは私の横に寝転がりクツクツ笑いながら私を見詰める。もしかして・・・だってこの大きさ、あれしか・・・でも

・・・戸惑いながらギンの方を見ると一層笑いを深めたギンに

「早く開けてみ?」

と急かされる。パカッと開けると大粒のピンクダイヤのリングが・・・可愛い・・・

「キミ、ピンク好きやてゆうてたから♪」

『か、可愛いけど・・・とても大きくない?』

私は顔がきっと真っ赤だろう・・・一生懸命照れ隠しにそう言うと、体を起こしたギンにジッと見詰められる。そっと私から箱を

取り指輪をはめる為に私の手を取ったギンにとうとう恥ずかしくって目を逸らしてしまう私にクツクツ笑いながら

「 翅音ちゃん・・・何でもボクにくれるってゆうたやろ?ボクを見て・・?」

そう言って私の体を起こして改めて向かい合って座り直す。私がずっと俯いていると溜息が聞こえて

「・・・やっぱりボクやったらアカン?」

『い、いや!決してそういう意味じゃないの・・・恥ずかしいだけなの・・・』

私がそう言うと私の方に身を乗り出したギンが、頬に口付ける。

「 翅音ちゃん・・・ボクのお嫁さんになって?」

うわ〜・・・私の心臓が早鐘を打つようにバクバクしている。そっと私の薬指に指輪をはめて顔を上げたギンの顔はいつにな

く真剣だった。

「 翅音ちゃん・・・キミが好きや・・・傍に、いつもボクの傍に居って?」

『こんな私でいいの?こんなに部屋を汚くするんだよ!?台所見た?台所凄い事になってるんだよ・・・そんな私にギンなん

て勿体ないよ・・・』

言いたい事はこんな事じゃない、本当に言いたい事はまだ素直に口から出て来ない様だ・・・

「見たよ。ビックリしたわ。でも・・・そんな 翅音ちゃんも全部好きや・・・其れだけやったらアカン?」

『こんなだらしない私でいいの?・・・あぁ、こんな事が言いたいんじゃないの・・・』

そう言って首を横に振り恐る恐る目を上げた私に、ギンはニッコリと笑い私の腕を引っ張り抱き寄せる。

 

 

 

 

 

 


「 翅音ちゃんがええねん・・・ 翅音ちゃんと一緒に居りたい。 翅音ちゃんの笑顔を一番近くで見てたいねん。護ってあげたい。

翅音ちゃんが辛いって言うなら死神なんか辞めたらええ。ボクが絶対幸せにしたる・・・なぁ・・・ 翅音ちゃんを頂戴?ボク、

翅音ちゃんが一番欲しいわ・・・」

らしくないなぁ、でも此れがボクの気持ちやねんで・・・顔を上げた 翅音ちゃんは顔がまっかっかで、目には一杯涙を溜めてボ

クを見詰めている。

『どっちがプレゼント貰ってるのか分らないよ・・・』

そう言って 翅音ちゃんからボクにキスを落とした。滅多とない 翅音ちゃんからのキスにボクは心が満たされ始める。

『ギンが好きだよ・・・こんな私だけど此れからも宜しくね・・・』

ボクが待ち望んでいた答えを 翅音ちゃんのピンク色の唇がゆっくりと伝えて再びボクの唇を塞ぐ。ボクは抱きしめる力を強め

て 翅音ちゃんと深く、甘く口付けあった。

そっと組み敷き 翅音ちゃんに視線を戻すと、ニッコリと笑う 翅音ちゃんが居て・・・それだけで幸せな気持ちになったボクがそ

っと首筋に唇を当て耳たぶを舐めると

『あ・・・地獄蝶・・・』

翅音ちゃんが素っ頓狂な声を上げる。

「無視しよ・・・」

ボクがそう言って 翅音ちゃんの耳たぶを甘噛みしたら、はぁっと上がる声に紛れて地獄蝶から大声が出てくる。


〜 風花、こっちに帰ったのならばさっさと報告書提出しやがれっ!早く帰りたいのなら、さっさとしろ。報告書書き終わるま

で今日は帰れねぇと思っとけよ・・・〜


地獄蝶は伝令を伝えるだけ伝えてひらひらと元の場所へと戻っていく。

「ははぁん・・・十番隊長さん。ボクの邪魔しようとしてはるなぁ・・・」

そう低く言って 翅音ちゃんの方を振り返ると 翅音ちゃんが体を起こしかけたから

「 翅音ちゃん・・・ボクと仕事どっちのが大事なん?」

ボクがそういうと 翅音ちゃんは笑って机に手を伸ばす。

『今は兎に角報告書を先にしてから、それからギンと・・・』

「ア、アカン〜〜!!ボクが先!!」

ボクがいつもみたいに駄々を捏ねて 翅音ちゃんの腕を掴む。いつも通りこの後怒られるんやろうなぁと思ってたら、意外な事

に 翅音ちゃんは優しくボクに微笑み

『私も・・・ギンが先の方がいいな・・・』

そう言ってボクの首にそっと手を回してキスしてくる。そんな 翅音ちゃんに安心したボクは組み敷いて触れ合った・・・

 

 

 

 

 

 


遅い・・!俺が地獄蝶を飛ばしてからゆうに一刻は経っている・・!どうぜ市丸の野郎と会ってるんだろ!?其れ位俺も分っ

てるぜ。 風花が誰と会おうが、俺は構わない。だけどその所為で俺の業務まで滞らせるのはちょっと考えもんだ・・・俺は大

きな溜息を吐くと、溜息が聞こえたらしい松本に笑われ

「隊長。そんなにカリカリしなくても、 翅音ちゃんはちゃんと戻って来ますって」

「そんなの分らねぇよ。今日は誕生日なんだろ?市丸の・・・」

クソッ!今日も市丸の野郎に邪魔されて俺まで残業かよ・・!もう一度地獄蝶送ってやる。そう思って俺が窓を見るとひらひ

らと一匹の地獄蝶が飛んできた。

珍しい色の地獄蝶・・・地獄蝶一匹にすらこだわる市丸。一目で市丸の地獄蝶だと分かり、俺は市丸の地獄蝶に手を伸ばし

指に止まらせる。


〜十番隊長さん・・・ボクの 翅音ちゃんに酷い事したらボク、キミを絶対許さへんよ?〜


そう言ってまるでクツクツ笑うかのように地獄蝶は主の元へと帰っていく。松本を見ると必死に笑いを堪えてやがる・・!

「やっぱり市丸の所に居るじゃねぇかよ・・・報告書何時になるんだ!?」

俺が全身から不機嫌オーラを出していると、執務室をノックする音が聞こえる。

「何だ!?開けろっ」

半ば投げやりにそう言って、暫くして開いた扉。そっと入ってきた隊員は俺が待ち焦がれていた 風花だった。

『す、すみません・・・日番谷隊長』

入るなりすぐに会釈して俺の席へと歩いてくる。松本がニッコリと笑い 風花の横に並んで立つ。

「あらぁ・・・ 翅音ちゃん、その指輪とっても素敵ね・・・」

松本がそう言って 風花の手を取って俺にも見えるように目の前に持ってくる。俺が 風花を見上げると顔を真っ赤にしていた・・・

指輪は薬指にはめられており優しい虹色のピンクの光を発している。

「さっきまでは着けてなかったでしょ・・?何故?」

松本がクスクス笑いながらマジマジと見詰めて問いただす。その時

「乱菊も。いじめんたってや・・?」

独特のイントネーションな声が聞こえて姿を確認しなくても市丸だと分る。悪趣味にも気配を消して後ろに着いて来ていた様だ。

執務室のドアに寄りかかってこっちを見ている市丸に

「仕事はいいのかよ・・・市丸・・・」

「これからボクと 翅音ちゃんは総隊長さんの所に報告しにいかなあかんのや・・・ 翅音ちゃん、もう暫くお借りしますえ」

そういってクツクツ笑っている市丸。俺は溜息を吐き、 風花へと視線を戻すと真っ赤な顔をして戸惑いながら口を開ける。

『私、市丸隊長と結婚する事になりました・・・』

「まぁ・・・」

「な、何だとっ!?」

「早ぅ報告書出していこ、 翅音ちゃん」

こんな雰囲気の中冷静なのは市丸だけだった。相変わらず感情の伝わってこない笑いをその口角に刻んで、 風花が報告

書を俺に差し出し受け取った時にふわっと匂ったのは市丸の香の匂いだった。恥ずかしそうに会釈する 風花の手を市丸が

取り執務室から立ち去ってしまった・・・

「・・・隊長・・・お祝いしなくちゃいけませんね」

「ああ・・・そうだな」

急な祝い事に着いていけなかった俺と松本は呆然とそのまま固まるしかなかった・・・

 

誰もがいつかたった一人の人と出逢う為に歩いているやなんて、

今まで絶対信用できへんかったけど

ボクはきっとキミに出逢うその為にこの道を歩いて来たんやろう・・・

他には何も出来へんかも知れへんけど、いつでもキミの傍に居ろう。

 

 

 


あとがき


いつも御清聴頂き有り難う御座います。

嗚呼!何とか書けました!間に合いました!ですが・・・ギンのBD夢なのですか!?此れは(爆)ギンの誕生日夢のつもり

です・・・アハ☆

・・・何はともあれ、9/10を記念にしてフリー配布致します。この様なもので宜しければ、お気に召されましたならばどうぞ

お持ち帰り下さいませ。(配布期限は御座いませんv持ち帰って下さる仏様の様な方は是非掲示板にて報告願います)

当サイト初めての試みのフリー配布夢、とてもとても不安一杯です(笑)著作権は私にありますのでお持ち帰り頂く際に是

非一言掲示板で報告頂けると嬉しいです。予告もなしにイキナリ訪問先に有ったら管理人ビックリしますので(笑)報告頂い

てもビックリするんですけどね(何)報告頂ければすぐに管理人、心の準備をして飛んで行かせて頂きます(笑)

Destined soul mate =赤い糸で結ばれた相手  市丸隊長お誕生日おめでとう御座います・・!!一体幾つなのでしょう?

ギンには到底似合わない題名でありますが甘くしたかったのでv信じられない程白い市丸隊長・・・甘くてラブラブ、そして幸

せな夢を目指しました。相変わらずイヅルは幸薄ですね。星の廻りがよっぽど悪いんでしょうねぇ・・・(笑)

もし宜しければ感想等頂けたらとても有り難いです。其れではここまで読んで頂き有り難う御座いました。

                                             05/09/10

                                      ☆ Miharu Kurusu presents ☆

 

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